21日から2泊して行ったドイツからの客人との飲み食いをサクッとご紹介します。
今年から実際の客人の受け入れを始めた「カウチサーフィン(Couchsurfing)」では7番目のゲストになります。
今回のゲスト”Jens(イエンス)”から泊まりたいって言うリクエストを受け取った時点で、12月に既に1人受け入れを決めてました。
お客さんとの出会いを貴重なモンとしてダレないために、受け入れは月1回くらいがええかなぁと思ってるんで普通なら断るところでした。
でも、日本語を勉強しててプロフィールにも日本語で文章を書いてて、自分はマンガ、アニメ、テレビゲームの”おたく”だと。
色んな国を旅してて、その内の一カ国として日本にも来るって外人さんは多いですが、Jensは「日本」に照準が合ってるように感じました。
マンガは好きやけど、メジャーどころを押さえてる訳でもないし、オタク文化に詳しい訳でもないけどそこまで日本にはまってるんやったら泊まってもらうのもええかと思いました。
事前にやりとりしたら、そのメールの内容だけでも日本オタクというか、もの凄く日本のことが詳しいのが分かりました。
泊まりに来る1〜2日前に何時頃にうちの最寄り駅に来られるか教えて欲しいと伝えてありました。
前日だったかに連絡があって3時半に駅に着くから迎えに来てくれと。
今までの客人は6回とも約束の時間に駅に着いたことがないんで、出来たら駅に着いてから連絡が欲しいなぁと思ってましたが当日は一応時間の前に駅へ。
すると3時半の少し前に着いた電車でJensが現れたんでビックリ。7回目にして初めて時間通りの到着でした。
初日は事前に晩めしを家で作るから一緒に食べようと話を振ってありました。
前日に出来るもんは何品か仕込んで、当日は朝に用事があったんで出かけるついでに生モノなんかを調達。
約束の時間までに掃除をしたり、料理をしたりして準備を調えてました。
カウチサーフィンでは、泊めた側と泊まった側がお互いに感想を書くんですが、事前に日本で他の人のトコに泊まった後の感想が書かれてました。
それによると「鍋」を食べたことが分かったんで、前回のゲストのような手抜きは出来ず。(^_^;)
かなりの日本オタクっぽかったんで、それならこちらも出来るだけの努力をすることに。
あえて日本食レストランなんかでは食べなさそうなモン、出来るだけ色んなタイプの味付けを経験して貰うってことを頭に置いて献立を考えました。
*前菜の盛り合わせ
・小芋の煮物
・蒸し鶏 ごまダレ和え
・おくらのワサビマヨネーズ和え
・ごぼうのきんぴら
小芋は「越前里芋?」っていうヤツを使いました。以前福井に行った時に現地で小芋を買うたishさんが料理したらえらく旨かったって言うてはったんです。
地元のスーパーで福井産の小芋が並んでたんで買うてみました。
小芋はお客さん仕様で皮をゴツめに剥いていわゆる”六方剥き”にしました。
六方むきにすると身ぃがけっこう減るんで自分一人で食べる時はようしませんが、客人に敬意を表してやってみました。
小芋は水から下茹でしてしばらく水にさらしてから昆布とカツオで引いたダシで炊きました。
ダシ自体も濃くなりすぎないようにし、味付けも出来るだけ薄味に仕立てて素材自体の味を味わえるように。
盛り付ける時は一粒が大きいので半分に切って、柚子の皮をおろして上から散らしました。
日本食自体はドイツでそんなに食べてないようでしたが、切り方や散らした柑橘類の香りに反応するあたり非常に観察力があるなぁと。
イモ自体のタチが良くて、ネットリしてて非常に旨かったですわ。
これは冷たいまま出したんですが、ドイツでは「イモ=温かい」モノってイメージが強いからそういう意味ではあんまり好みじゃなかったのかも。
ちなみに23日に残り物宴会でこの小芋を食べた日本人の知り合いからはおほめの言葉を頂いたんで、出来はほどほどだったかと。
蒸し鶏は「ごまだれ」を味わって貰うために採用。以前にムネ肉で作ってほぐして冷凍してあったものを使いました。
純粋な和食に拘らんでもええと思ったんで、香辣脆をちょいと加えてます。
おくらも素材より「わさびマヨネーズ」っていう味付けを試して貰うためにメニューに加えてます。
Jens曰くドイツではよくマヨネーズを料理に使うそうで、これは気に入ったようです。
ごぼうのきんぴらは、ごぼうっていう野菜を食べる国が世界中でも日本とごく限られた国だと聞くので試し貰うことに。
皮は剥かずにたわしで洗うだけにして、ささがきにした後も水にはさらさず。
ゴボウらしい土臭さをしっかり残すようにしました。食感もシャキシャキした歯ごたえをしっかり残しました。
この盛り合わせを出してビールで乾杯したら、しばらくしゃべって私はまた台所へ立ちました。
その間に客人はペロッと食べ切ってたんで一応どの料理も大丈夫やったようです。
*ダシを引いて作った「小松菜の煮物」
薄揚げを知ってるか分からんかったので、それを試すのと出汁っぽいものを味わって貰うために。
これは前日に仕込んでおきました。客人にはこんな家庭料理は宴会では出さんけどあんたに味わって貰いたいから出したんやと説明。
普段自分用には白だしで作るけど、ちゃんとしただしで作るとやっぱり旨いですねぇ。
*関西らしく「すじ肉とこんにゃくの煮物」
すじ肉は東京からのブログ仲間にもわざわざ出したりするんで、「関西らしい」料理として。
大阪ではすじ肉は当たり前やけど東京ではほとんど店に並ばんってなことを説明。
一緒に炊くのはごぼうか大根も考えたんですが、外人さんには不評なこともあるこんにゃくを敢えて採用。
コンニャクは裏表の表面に細かく包丁で切り目を入れて、全体をフォークでメッタ突き、そしてトドメに手でちぎってやりました。
味が乗りにくくて外人から「食感しかないから嫌い」やと言われたことがあるんで、とことこん味が乗りやすくしました。
すじ肉は以前に下茹でして一握りずつ冷凍してありましたが、こんにゃくも別にたっぷりのお湯で下茹で。
出汁にちょっと白だしを足して前日から保温鍋でじっくり煮込みました。
ゲストはこんにゃくも嫌がらずにすっきり食べてくれてました。
*普通のお造りを避けて「アジのなめろう」
日本食レストランなんかで刺身は食べてるやろうけど、「なめろう」はないやろうと献立に。
醤油で食べる刺身が当たり前やけど、味噌味ってのもええかと。
ペースト状で気持ち悪がるかと思いましたが平気で食べてましたねぇ。
*今年ラストのカウチサーファー「Jens」
Jensの住んでるのはドイツの, HesseのFrankfurt(フランクフルト)に近い「Bad Orb(バート・オルプ)」って街やそうです。
ドイツのど真ん中っていうか、内陸部なんであんまり魚は食べてないらしいですわ。
事前に日本だけを目指してきてる印象を受けてみましたが、会って旅の概要?を聞いてびっくり。
数年前にも一度日本に来ようかと思ったけどその時は踏ん切りがつかんかったと。
今年31才になって、この年齢がワーキングホリデービザの最終期限だと。
憧れてた日本に来るなら長期でないと満足出来んと考えて、仕事を辞めて、車を売り、宝物のマンガもごく一部を除いて売り払って仕事さえ見つかれば1年くらい滞在する気で来日したんやそうですわ。
ドイツではコンサルタントをやってたそうなんですが、今後のキャリアのことは全部無視して来たそうですわ。
後半は火を使うモノをと思ってたんですが、まず一品目は牡蛎。
生食でも行けるヤツを買うてあったんで、どうやって食べたいかと聞くとあんまり食べたことがないと。
ポン酢で生ガキを食べて貰うのも良かったけど、口に合わんかったら可哀想なんで料理することに。
*牡蛎のポン酢炒め
塩水で洗ったカキをペーパータオルでしっかり拭いて、軽く塩をして片栗粉を打ちました。
そいつを油で炒めてポン酢をぶち込んで絡めたただけ。
ちょっと料理としてはシンプル過ぎる気もしましたが、食べやすいかなぁと。
これは二人分を一皿に盛ってシェアしましたが、そこそこ箸は進んでたように思います。
*出す順番を間違えたきのこ汁
もっと早いうちに出すつもりやったんですが、すぐ出せるように保温鍋に入れてたら忘れてました。
敢えて肉気は入れずに出汁ときのこの風味を楽しんで貰えるようにしました。
わずかにとろみをつけて熱々を楽しんで貰えるようにして、ショウガを添えてます。
酒の方はビールでスタートして日本酒へ。
冷やか燗か選んでもうたら、燗酒がええとのことでした。
Jensはテレビゲームで日本に興味を持って、その後マンガやアニメに広がって、さらに映画へ。
黒沢の映画はかなり数見てるし、日本の古い映画に相当詳しかったですねぇ。
色んなネタでしゃべりながらゆっくり飲み食いして、最後は外人さんには肉気がいるかと思ったんで豚を出しました。
*メインに豚テキ肉の塩焼き
塩だけでカリッとしっかり目に焼きました。
肉の味付けはシンプルにして、辛子醤油、黒煎り七味、自家製のにんにく辛味噌を添えました。
終盤は試しってことで芋焼酎のロックも勧めて味見して貰いました。
晩ご飯で3時間以上掛けたんですが、テーブルを片付けた後も飲みながらぺちゃくちゃ。
私の好きなジントニックに付き合うっていうんで、それを一緒にやってました。
話の流れで映画に使われた音楽ってことで、私の聞いたことのない演歌をJensのPCから流しながら飲むという場末のスナックのような展開がオモロかったですわ。
初日は2時頃まで喋って、布団へ。
翌日はJensが起きるって言うてた時間に遇わせて8時頃起きました。
コーヒーだけ飲ませたらJensは日本人の知り合いと10時に会うことになってるからと一人でお出かけ。
昼メシだけ食べてくるってことやったんですが、結局帰って来たのは2時頃でした。
私にしてはその時間から出かけるのはちょっと遅く感じたんですが、前日の約束に従って車で有馬温泉へ。
普段なら芦屋まで1時間もあれば着くと思ってるんですが、22日は年末のせいかえらく道が混んでましたわ。
*芦有道路からの景色
有馬温泉に向かう途中で展望台によりました。
他に1台止まってたレンタカーは中国人のカップルが運転してて、彼らの進出振りに驚きました。
有馬温泉の公共のお風呂は露天風呂もなくシンプルな玄人向けに感じたのでパス。
私が入ってるアサヒメイトの割引が効く「太閤の湯」へ。
前に一度行って大昔の健康ランドをどこぞの資本が今風にやりかえたような印象を受けて個人的にはイマイチなんですが、温泉に慣れてない外人さんには分かりやすいかと思いチョイス。
平日2400円の入場料が会員本人の私は700円に、同行者は1600円になるんで、合算して割ったら一人1150円。
小銭のやりとりは邪魔くさいんで客人には計算だけ説明して1000円もうときました。
いくつかの湯船を試しつつのんびりと温泉を楽しみました。
最初は裸で風呂に入るのに違和感があるようでしたが、後半はリラックスして楽しんでましたわ。
*芦有道路からの夜景
出発が遅くなったおかげで、帰り道に行きと同じ展望台に寄ったらえらい豪勢な夜景が広がってましたわ。
野郎同士なんで色気もくそもありませんが、客人はこの夜景をえらく喜んでたんで遅くなったのも怪我の功名でしたね。
帰りもけっこう道が混んだんで、昼メシをコンビニおにぎり1個しか食べてなかった私はへろへろに。
*腹が減りすぎて客人と近所の回り寿司へ
前日の残り物は色々あったんですが、メインになるものを用意するのも買い物も腹が減りすぎて我慢出来ず。
うちの近所にある飲食店の数少ないチョイスから客人が回転寿司を希望したので一緒に出かけました。
一皿を二人でシェアしたらどうかっていう提案に乗ってきたので一貫ずつで。
Jensが食べたいモノは自由に取って貰うことにして、他にはこちらから珍しいかもと思うモノを勧めました。
酢締めとしてコハダ、ポン酢で食べる白身やぶりしゃぶ、うなぎやいくら、カニ味噌なんかもトライしてました。
マヨネーズ好きらしく、サーモンのマヨネーズ炙りとマヨコーンをえらく気に入ってましたわ。
酒に合うんで私の好きないくらはイマイチで、カニ味噌は全く口に合わんようでした。
二人で会計は5196円。
バックパッカーにあんまり金は使わせられんのに私が外食で済ませんともたんかったので、2000円だけもうときました。
前日は飲み食いの前に何をやるか相談してて、夜にでも梅田のスカイビルでやってるドイツのクリスマスマーケットがどんなもんか見に行きたいと言われてました。
しゃべるのに夢中になってたら遅くなって初日は行けず。
寿司を食べ終わったら、クリスマスマーケットに行こうと言われたんですが、運転して一杯飲んだ後に電車に乗るのは気が進まず一旦は一人で行ってくれと断ったんです。
ところが終始行儀の良かった客人もちょいと酒が入ったせいか、けっこう強く誘ってくるんですよねぇ。
結局私が折れて電車で梅田に出るって言う苦行におつきあい。
*梅田スカイビルのドイツクリスマスマーケット
なんでドイツ限定なんかとか、どこが主催してるのかとは不明なまま現地へ。
屋台が何軒かあって、何人かはドイツ人がおったんでJensはちょこちょこ話しかけてましたわ。
*ヨーロッパっぽいクリスマス物を売る屋台
この手のイベントには全く縁が無いと思ってたのに野郎2匹で参戦してしまいました。
*ドイツっぽい食べ物を売る屋台
ドイツと言えば、ソーセージとポテトってイメージがあるんですよねぇ。
本場の食い物に興味はありましたが、回り寿司の後やったんで会場で生ビールを一杯飲んだだけでした。
会場をしばらく眺めて帰ることにしたんですが、Jensからどこかで一杯やる?とお誘いが。
梅田は全く店が分からんし、これ以上飲んだらますます電車が嫌になるんで、事情を説明してさっさと撤収。
家に帰って飲み直して結局また3時前までおしゃべり。
翌日は朝イチでJensはマニアックにも枚岡神社の「お笑い神事」を見に行くって言うんでコーヒーだけ飲んでもうて送り出しました。
一緒にやったのは温泉に行くのとクリスマスマーケットに出かけることぐらいでしたが、けっこうよう喋って飲み食いしましたわ。
オタクレベルまで日本に興味のあるお客さんやとこちら側にも発見があったりしておもろかったですわ。
一年というか実質半年ほどで7回ゲストを迎えましたが、どのゲストもそれぞれに良さがありました。
来年もお客さんのことがルーティンワークにならん程度にぼちぼちホストをやって行こうかと思っております。
*朝の体重:58.20kg。(ちょっと減ったけどまだ目標オーバー。)
*今月の休肝日:8日(今日は酒を抜きました。)
2015年12月27日
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