2010年10月24日

廃業する「彦江」にありがとう:第19回讃岐うどん巡り その1

イベントネタは、他のネタを放っといても優先的に上げることにしてるんですが、今回は諸事情により遅くなってしまいました。

やや記憶が薄れてるところもありますが、18日に香川まで出かけた讃岐うどん巡りの模様をご紹介します。

うどん巡りの回数については、前回のざるカレーピンポイント攻撃を一応1回とカウントすることにしたので、今回が第19回ということになります。





今回のうどん巡りはmyblackmamaさんから提案で実施することになり、9月の上旬には日程が決まりました。

その時点での参加予定はmyblackmamaさんご夫妻と某お代官さまと私の4名でした。





コースを組み始めてもおらん時期にいきなりある方から「上田製麺所」に行きたいってな無理強い要望が聞こえてきました。

コース設計は運転手であるサルの専決事項ってことにさせてもうてるんですが、一応「希望は聞きます」ということにしてるんです。

ただ、希望にも色々ありましてねぇ・・・・。


 「もしも、コースの中に組み込まれたらラッキー」、っていうのも「希望」。

 
 でも、


「ワシは、ドコソコが希望や!!」って言う言葉の後に「行かれへん理由でもあるんか?」ってな声が聞こえそうなのも「希望」。


まぁ、このあたりの言葉の重さの違いはあるんですが、しばらく聞こえんかったフリをして、うどん巡りのコース作りは放置しておきました。(^^;)





その後、ざるカレーを攻めた後で上田製麺所に寄ったんで、お代官さまのご要望(わがまま?)を無事クリア。

運転手としてコース作りをやる時に1ヶ所でも「(希望という名の)絶対行く店」が決まると、けっこう大変なんです。

そんな制約がなくなったんで、今回は完全にフリーハンドで組める状態でした。



そこで私は前からmyblackmamaさんをお連れしたかった、香川らしい伝統的なセルフである高松市内の「さか枝」をコースに入れようかと。

私自身が好きやし、今時のセルフと違って本場の香川らしさがあるんでええんじゃないかと。

ここ何回かのうどん巡りでも毎回行こうと思いながら、パスするってのが続いてたんです。

今回こそは、さか枝の優先度を上げてルートに入れようかと。

さか枝とセットで同じ市内で、もう一軒ずっと気になってる栗林駅の「雅や」にも寄ろうと。

こっちはmyblackmamaさん、ishさん、私の誰もが未訪なんでええんじゃないかと。






雅や、さか枝の順に回ってからもうちょっと離れたとこへ移動するというパターンで行くことに。







今回は第16回のうどん巡りに参加者してくれはった他のお二方は別件で予定が入ってはったりお忙しかったりで日程が合わず。

他の希望者もなかったんで、4人でのんびり行こうかという感じでした。









他の用事なんかがあってバタ付いて最終的なコースが決まったのはけっこう当日近くになりました。

13日に朝からコース作りをやって、昼過ぎに一応関係者に告知、ツイッター上に流したりしました。

ところが、その日の夕方になってショックなニュースがツイッター上に流れました。


讃岐うどんに興味ある方はもうとっくにご存じでしょうし、興味ない方にはどうでもええことなんで引っ張らんときましょう。

メチャクチャ悲しいニュースは「”彦江”の廃業」でした。

彦江ってのは、かつてうどん好きが集まってトップクラスのうどん屋を選んだいわゆる「S級店」の1軒なんです。

すでにS級店の1軒「宮武」は一度廃業して、現在同じ名前で営業されてるのは、私の中では「新生・宮武」。

かつての宮武に続いて、S級店がまた一軒減るというのはうどん食い業界ではけっこうなニュースでした。


個人的には宮武はやや好みからズレることもあって、さほどショックではなかったんです。

残念やとは思うけど、他にも宮武ファミリーっていわれる店がいくつもあることもあって比較的冷静でした。


でも、彦江は色んな意味でぜひとも残しておいて欲しいお店やったんで、かなりのショックを受けましたわ。


まず、純粋に「麺」が旨いと思うんです、ほんであそこのいりこ風味たっぷりの「出汁」がまた旨い。

食べるスペースもあるとはいえ、店の中は完全に「製麺所スタイル」のまま。

店内にシステムの説明がないのも慣れるまでは「ドキドキ感」を楽しませてくれます。

床に置かれた冷たい出汁の鍋も、製麺所の片隅で食べさせて貰うって「雰囲気」にバッチリ。

うどんをどれだけ、オプションの天ぷらはなにを食べ方は「自己申告制の後払い」。

その上、前を通り過ぎても知らんかったらうどん屋(製麺所)やと気づかん「店構え」がナイス。

その店の「立地」が余所モンには入り込みようのない、細い住宅地の道の先。

ちょっと離れたトコに駐車場があって、「車が止めやすい」のに店までの「アプローチ」がええ感じ。

S級やのに今まで「混んだことがなく」て、8時40分と「オープンが早い」んで1軒目に持ってくるのにピッタリ。

初めてうどん巡りをするって方をお連れする時は、最近では事実上ここからスタートってほど讃岐うどん巡りの面白さの全てが揃ってるんですわ。


S級の中でも、彦江ほど「人を案内したい」って思わせる店はありませんわ。

もちろん自分が彦江の麺とだしやったら、なんべん行ってもええと思うってのが大前提ですよ。

せやから今回までに18回うどん巡りをやってて、6回もここに行ってるんです。



性格的には「旨いと分かってる店」に何回も行くより「ハズレてもええから違うトコ」にチャレンジしたい私にしたらかなり多いですわ。

延べで110軒ちょい行った中で、おそらく彦江の回数が一番多いはずですわ。





私にとって彦江が特別やってのがちぃとでも伝わるとええんですが・・・・。



そんな彦江が休業やら移転でなく、廃業やと分かった翌週の月曜日にうどん巡りの予定が入ってて素通り出来るはずがないですわね。


コースの前半はサクッと彦江最優先で組み替えることに。


組み替えたコースは、これから順に読んで頂くとして、当日が近づいてmyblackmamaさんの奥さんのご都合が悪くなってしまいました。

私は日程を変更しても良かったんですがmyblackmamaさんがそのままの日程で行こうと仰ったので、最終的には3人でのうどん巡りとなりました。






今までmyblackmamaさんとうどん巡りをする時は、中国道の西宮名塩サービスエリアで待ち合わせてました。

今回は、myblackmamaさんの都合でサービスエリアではなく、最寄り駅で落ち合うことに。

阪神高速の池田からJRの西宮名塩駅まで地道で行くことになったんですが、いつも5時に出たら待ち合わせの1時間ほど前に着くんで、同じ時間で間に合うやろうと。

当日は4時に目覚ましをしかけてたんですが、3時40分にパチッと目が覚めてしまいました。

そこから寝直すと寝坊する危険があったんで、ちょっと早めに起きることに。

ニャンズに世話をしたら、下の階の人に悪いんで私のシャワーはパス。
 *ちゃんと前日の夜にシャワーを浴びときました。
 
今回は玉売り専門店を1軒攻めることにしてたんで、朝イチでショウガをスリスリ。

前日に用意してあったネギのみじん切りやら、麺ツユもちゃんと積み込み。

必要な用意をやったらまだ予定してた出発時刻の5時には早かったんですが、家に居ってもしゃあないので出かけることに。





4時39分にアパートの車庫を出発しました。

特段飛ばすこともなく池田までは高速で、そこからは地道で西宮名塩駅へ。

流れに合わせて転がしただけですが、5時25分には駅のロータリーに到着してしまいました。

myblackmamaさんがおいでになって、6時59分に駅前を出発。

国道176号線を三田方面に走って、西宮口東ICから阪神高速北神戸線に乗って長田まで。


兵庫駅の駅前には7時50分頃到着し、ishさんを迎えたら8時2分に香川へ向かって走り出し。




道中はみなさんの希望がなかったので、サービスエリアでの休憩もなく快調なペースで香川に向かいました。

スマートETCで高速を降りることにしてた、府中湖SAで短時間のトイレ休憩を挟んで地道へ。

朝イチで彦江に行くことにしてたんで、高速の出口を左へ。

県道184号線を進んで、突き当たりで右折して県道18号へ。

さらにその突き当たりで左折したら県道33号線。

このルートなんかはもう地図を見る必要もなく、”勝手知ったるよその土地”状態。

ルート的には楽勝でしたが、腹の減りがマックスやったんで気持ちはちぃと急いてました。





前に彦江へ行く目印にしてた「グリーンハウス」のあったところは、更地がファミリマートかなんかのコンビニなっとりました。

最後になると思うと、県道から曲がって彦江の駐車場に行く道も、初めての時(2002年)は緊張したなぁと懐かしみながらでした。

駐車場に着いたのは10時8分でしたが、やや車の台数は多めに感じました。


駐車場奥の出口から路地みたいにほそい道をポテポテと。






お馴染みの「彦江」の店構え

*お馴染みの「彦江」の店構え

この日は車が止まっててリアウィンドウに「彦江製麺所」ってあるんで、だいぶ大きなヒントありですね。

でも、これがなかって、事前にネットなんかで見てなかったら、やっぱり通り過ぎるでしょうね。









入り口まで行くと、すでにネット上に画像が流れてた悲しい張り紙を自分の目で確認することに。












「彦江」の廃業を知らせる張り紙

*「彦江」の10月30日での廃業を知らせる張り紙

廃業する理由の一つはお客の殺到が近所への迷惑になったからのようですが、場所を移転して再開してくれたらなぁなんて思ってしまいますね。

立地の怪しさが無くなるのは残念やけど、彦江のうどんは純粋に旨いんやから誰も文句言わんでしょう。

まぁ現実的には後継者がおそらく居てはれへんのでしょうが、移転に関する様々な費用やエネルギーを掛けて、その後何年営業が出来るんや?ってな問題があることでしょう。




中に入るとお店の人から「大口の注文が入って20分ほど掛かる」ってなことを伝えられました。

今回は彦江が最優先ですから、並ぶのんが嫌いな私も全く文句なく素直に待ちました。

ほどなく声を掛けられてうどんの玉を貰ったんですが、茹で上がりのうどんを水洗いしてるおばちゃんはモノスゴイ勢いで働いてはりましたねぇ。


麺を伸ばしてる女性もかなり力を使ってるようやったから、やっぱり肉体的にも厳しい仕事なんでしょう。



前回冷たい麺に冷たい(ぬるい)出汁を掛けたら、香りがちょっとモノ足りず。

ということで、今回は冷たい麺に熱いダシのいわゆる「ひやあつ」で行ってみました。





自分には「彦江」では「ひやあつ」がベスト

*自分には「彦江」では「ひやあつ(140円)」がベスト

ひやあつにしてみたら、やっぱりコレが彦江では一番自分好みでした。

でも、「これからはこれで行こう」とは言えないんですよねぇ・・・。


この日初めて彦江の外の腰掛けで頂きました。


ishさんとmyblackmamaさんは「ひやひや(140円)」で行ってはりました。

myblackmamaさんは努力して努力してゆっくり食べてはるようでしたが、私はいつもと変わらんペースでササッと食べ終わり。

どんぶりを返して、お金を払ったらお店人に

「何回かしか来てませんが、今までありがとうございました」

とだけお伝えしました。


地元で毎日のように通った訳ではないんで、泣けてくるとまではいいませんが、やっぱり寂しかったですわ。

お店にとって数回行っただけの客ですが、私にとっては特別な1軒やったんで、心から感謝してお店を出ました。



一緒に行ったishさんのコチラの記事は写真のみですが、お店への「ありがとう」っていう気持ちが伝わってくる気がします。
 *リンク先の記事にトラックバックを掛けさせて頂きました。

良ければリンク先のスライドショーをご覧になってみて下さい。






ところで、ishさんとこではちょっと前に彦江の記事が上がったばっかりなんです。


 *foodish:”雑”食記:彦江にプレサヨナラ〜讃岐うどん巡礼2010-7その1






「プレ」サヨナラって、変な表現やと思いませんか?

なんとこのうどん狂いのお代官さま、私らが行った18日の2日前に別メンバーでも彦江に行ってはったんです。

今回うちのうどん巡りの日程が決まってからWakkyさんK1郎さんらの神戸組でもうどん巡りの話が出てました。

私もその場をコソコソと覗きに行ってるんでやり取りを見てました。

今回はいくつかの日程の中から割りとサクッと16日が決まってました。

で、「行く人手ぇ〜上げてっ!!」状態になったんですが、それを見て私は



「ishさん、残念やろなぁ。もうちょっと日にちが離れてたら両方参加出来たやろうに」



って、思ってたんです。


ところが、サクッと「自分も参加」って書いてはったんで、私は目が点になりましたわ。(^^;)



私は自分でもアホなことが好きやと思ってますが、お代官さまもたいがいですねぇ・・・・。




神戸組のみなさんも急遽彦江を回ることにしたはったようですが、コース作りの担当者としてはうちとかぶり過ぎんか心配になりました。

myblackmamaさんが発起人やから、ご夫妻の未訪店でコースを組むのを原則にしてるんですが、小心者のサルは、極力お代官さまにも楽しんで頂くように配慮するんです。

今までお代官さまが行きはった店のリストを作って、それを睨みつつmyblackmamaさんを案内したいトコでまだ行ってはれへんトコを捜す訳です。

今回もそうやって組んだんですが、神戸組のコースは分からず。

もうちょっと期間が開いてたら、私の方でコースを組み替えたり出来ますが、さすがに前日にそれは厳しいですわ。

彦江が確実に被るんで、あとは「どうか被る店が少なくて済みますように」って祈るしかしゃなかったですわ。

まぁ、結果的には彦江しか被らんかったんでよかったんですけどね。

 *この部分は私が驚いたんで、自分のメモがてら書いておきました。







お代官さまの驚きの行動を暴露して書いておいて、今回の記事は一旦ココで終わることにします。

2軒目以降はまた後日アップさせて頂きます。




*朝イチの体重:57.6kg(夜の体重がかなり行ってたけど、なんとかセーフ)
 
 

<後日 追記>

続きの記事をアップしましたので、リンクを張っておきます。


前半ベタに攻めてみた「第19回うどん巡り」その2

後半は個人的な趣味で 第19回讃岐うどん巡り その3


<後日 追記>

ご一緒させて貰ったmyblackmamaさんのブログに記事が上がったのでリンクを張っておきます。

*a spoonful of blues:えて吉さん、ishさんと行く!第5回讃岐うどん巡り〜一軒目〜
 
上記記事にトラックバックを掛けさせて頂きました。
 
 
posted by えて吉 at 16:43| Comment(2) | TrackBack(1) | 讃岐うどん巡り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
毎度ながらようこんだけくわしく書けますねえ。
ほんまに尊敬しますわ。

最後の彦江に関して、僕はどういうエントリしようか考えた結果、あえて文章なしにしました。あの店の魅力と僕なりの思い入れをちゃんと書ける自信がなかったもので。
その点このエントリのえて吉さんの文章は、彦江の魅力をきっちり要素をピックアップして、あますことなく書いてあると思います。

それ以外のパートについては、脚色しすぎの面が相変わらず見受けられますがね(爆) 「行かれへん理由でもあるんか?」なんて全然思ってないのに〜
Posted by ish at 2010年10月24日 17:37
ishさんへ

> 毎度ながらようこんだけくわしく書けますねえ。

まいどのことですが、バカげた長さになってしまいました。

うどんの味の話はゼロで枝葉のみってもまいどのことで・・・。(^^;)

> 最後の彦江に関して、僕はどういうエントリしようか考えた結果、あえて文章なしにしました。

あぁいうセンスのいる仕上げ方は出来ないんで、私はひたすら文字数を稼ぐことだけ努力しました。

> 脚色しすぎの面が相変わらず見受けられますがね(爆) 

アレ・・、なんか実情とズレてましたか?

> 「行かれへん理由でもあるんか?」なんて全然思ってないのに〜

運転手が勝手に誤解したということですかねぇ・・・。(^^)
Posted by えて吉 at 2010年10月24日 17:53
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サヨナラ、彦江〜讃岐うどん巡礼2010-8その1
Excerpt: ありがとう、彦江!(上の文字をクリックしてみて下さい)
Weblog: foodish:”雑”食記
Tracked: 2010-10-24 17:40