なので今回は懐かしい「カタヌキ」をネタにして更新してみます。
みなさんは、”かたぬき”ってご存じですか?
あんまり味のない粉を薄っぺらい板に固めて、そこに溝を彫ってシンプルな絵が描いてあり、その溝に沿って絵を「型抜き」するってもんです。
夜店や縁日、祭りの屋台なんかで1枚100円で売ってて成功すると難易度に合わせて賞品が貰えたんです。
夏祭りで限られた小遣いを有効に使うには、この「かたぬき」はトップクラスのコストパフォーマンスやったんです。
それに薄っぺらい粉モンの板の溝を虫ピンでちまちまと削って行く作業自体もなかなかオモロかったんです。
初詣で行く”すみよっさん”(住吉大社)や、”えべっさん”(戎さん)みたいな大きな祭りではお目にかからんのです。
私がやったのは地元の生野区にある八坂神社の夏祭りが多かったと思いますわ。
細かい作業をやるんで夜店より昼間の祭りが良かったんやと思いますね。
あっつい夏祭りの日中に道路に座り込んで、ベニヤ板の作業スペースにガキどもが虫みたいにたかって必死でカリカリやってました。
祭りで懐かしいモンというと、
・香具師に嫌がられるくらい長いこと見てただけの飴細工
*高くて自分では手が出んかったんです
・くすねた輪(←時効ってことでよろしく)を使こうて家で特訓までして腕を磨いた輪投げ
・鉢にあふれるほどすくいまくった金魚すくい
なんぞがあります。
こんなんに並ぶくらいカタヌキも懐かしいですわ。
そんなカタヌキのことが日経新聞に載ってて、妙に嬉しくなりじっくり記事を読みました。
それによるとかたぬき菓子を作ってるのは今では日本国内でおそらく一社だけらしいんです。
その「ハシモト(HP)」という会社は大阪市の西成区にあって、親子3代にわたって型抜き菓子を作ってはるんやそうです。
初代の人が東京で流行始めてたかたぬきを作り始めたのが1957年頃やそうです。
最初は作り方が分からんとえらく苦労したそうです。
当初は紙芝居屋が主に商ってたそうですが、私は紙芝居をほとんど体験してないんでその様子は記憶にないですねぇ。
夜店の露天商が扱い出したのが62年頃やそうで、その後は祭りの花形になったとのこと。
71年生まれの私がチビの頃は盛んな時期やったんかもしれませんね。
今考えると縁日のテキ屋商売でもこのかたぬきってのは、えらく効率悪いんちゃいますかねぇ。
だって、原価は安いけどたった100円でかなりの時間粘りましたからねぇ・・・・。
テキ屋ももっと割のええ商売を選ぶから、今はもうないんちゃうかと思ってました。
ところが、ネタにはせんかったけど実は去年の秋にまだやってるのを目撃してるんです。
*ガキの頃と同じ”かたぬき屋台”の風景
去年の10月に散歩しててたまたま遭遇した「生野まつり」っていう区民祭りで屋台が出てたんです。
かなり興奮したんで何枚も写真撮ってあったのを今引っ張り出してきました。
この時に本気で自分もやろうと思ったんです。
でもガキンチョが群れとるなかに37才にもなるオッサンが混じるのはねぇ・・・。
ガラガラやったらやってたと思うんですが、心の中でぽろりと涙をこぼしつつ断念。(^ ^;)
この伏線もあって、記事を読んだら無性にやりたくなりました。
ブログのネタにもなるから、直接ハシモトさんへ買いに行ったろうと思ったんですが、サイトをみると小売りはしてないとのこと。
サイトからのリンク先に通販で売ってるトコはあったんですが、お取り寄せ嫌いなもんで躊躇。
記事には97年にはスーパーなんかの懐かしのお菓子コーナー向けに7枚入りの「ザ★かたぬき」ってモンも発売したとありました。
でも、その手のモンを並べてそうなパッと思いつくスーパーもなく悶々。
買えるトコを小売店で考えるから難しかったんですが、ひらめいたのは駄菓子屋向けのモンを卸してる店。
JR天王寺駅の北口から北に行った、寂れた商店街に何軒かそんな卸屋があったのを思い出しました。
思いついたのが昨日で2本前の記事を書いてすぐチャリンコで向かいました。
*その手前で王将に寄ったという次第です。
昼間でも陽が差さんで薄暗い商店街に入って1軒目のお菓子屋で聞くとサクッと「置いてる」との返事。
難しいのんと易しいのんの2種類あると言われて、易しい方を見せてもらうとそれでもガキの頃には苦労したヤツやったんで易しい方を買うことに。
*ハシモトの「カタヌキ菓子」 100枚入りで630円
100回遊ぶと思うたらそないに高ないけど、ふと懐かしくなって買うにはけっこうな額ですなぁ。
王将でメシ食うただけで、出費を引きしめなアカンって言うようなヤツにはアホな散財ですね。
*「かたぬき菓子」の中身はこんな感じ
ホッチキスで組んだだけの紙箱にな〜んの包装もなくザクッと詰めただけ。
紙箱自体もスカスカしてて、卸屋でもそれを無造作に棚に置いてました。
殺菌がどうやの、食の安全がこうやのってな今時の風潮とは縁がない昭和な風情がええでしょ?
それぞれの板のサイズがビミョウに不揃いなんもなんか嬉しいですわ。
手作りっていうても京都の伝統に裏打ちされたような高級品やなく、大阪の下町で作ってるベタな雰囲気がええやないですか。
*全部で13種類の「かたぬき」が入ってました。
半分ぐらいはガキの頃に実際にみた覚えがあります。
当時、この中のいくつかはやや難しいヤツに分類されてた気がします。
晩メシ用に菜っ葉の煮物だけ作ったら、さっそく懐かしのカタヌキに挑戦。
家に針がないから、わざわざ帰り道に100均でミニ裁縫キットまで買いました。(^ ^;)
喜んでカリカリやり出してすぐに、妹から電話。
いつも行ってる友達夫婦のサ店に送ってくれと。
姪っ子と2人乗せて、しばらくサ店で過ごしたら腹ぺこで帰宅。
晩メシを済ませてから、本腰を入れて再開。
焦って割らんように、溝をカリカリ。
カリカリ。
ええ歳のオッサンが、ジントニを舐めながら、
カリカリ。
テレビを点けてたけど、内容が頭に入らんくらい集中して
カリカリ。
*一番簡単そうやった「カナヅチ」?は無事型抜き成功
ええ大人なんやから、これぐらい軽いわなと続いて2枚目へ。
ちょっとランク上げてみました。
今度のヤツは細いトコがあるから、慎重に、慎重に。
越後屋が横に寝ころんでバカにした目で見上げてましたが・・・・
そんな視線にも負けず、かりかり、かりかり。
安全そうな部分をまずクリア。
最後に細いトコをチマチマと。
「これやったら、行ける!!」
と思った瞬間、
*傘の柄の部分がパキッと折れて失敗。
この失敗の瞬間がねぇ、ほんまにガキンチョの頃の気分そのままでしたわ。
失敗は悔しいけど、その感じ方までが懐かしかったです。
*3枚目のサカナは傘よりやさしいと思ったけどまた最後で失敗。
2枚目失敗して思ったんですが、どうもコイツは乾燥しすぎてる気がしました。
ガキンチョの頃の裏技を使わんとあきませんかねぇ・・・。
生地?をちょいと舐めて湿らせると失敗しにくいんですよねぇ。
テキ屋には「ツバつけ禁止」とか書いてましたなぁ・・・。
3日続きの祭りやったら1日目に家に持って帰って、好きなだけツバつけて、抜いてからよう乾燥させて2日目か3日目に持って行ったもんですわ。
賞品もないのに「裏技使おうか」って、どこまでアホなんでしょうね私は。
3枚やって終わったんですが、気力を使いすぎたのか昨晩はそのままコタツで沈没。
3時頃まで居眠ってしまいました。
>リアルの知り合いへ
懐かしいなぁって思う人は、何枚でもあげますよー。(←マジです。メールください)
*朝イチの体重:57.2kg(ええ数値やけど、外食は禁止やぞ、オレ)
<同日 追記>
カタヌキ好きの方のサイトを見つけたのでリンクを張っておきます。
*How to "KATANUKI!!"
このサイト内にある屋台では、難易度に合わせて換金してるトコが紹介されてました。
それやったら大人が真剣になりますわね。
高いヤツはムチャクチャ難しそうな型ばっかりですけどね。
めちゃめちゃなつかしいですなー
僕のとこでは祭りもなんも関係ないのに小学校の帰り道でテキヤがよー店ひろげてましたわ。
よかったら20〜30枚小売りしてくださいよ(^^;
花見の余興に使えるかも。。。
> めちゃめちゃなつかしいですなー
だいこんさんにも懐かしかったですか。
アホなネタやから反応してもらえて嬉しいです。(^^)
> 僕のとこでは祭りもなんも関係ないのに小学校の帰り道でテキヤがよー店ひろげてましたわ。
へぇ、祭りとかじゃなくピンで商売してたんですか。
私はそういうヤツの経験ないですねぇ。
> よかったら20〜30枚小売りしてくださいよ(^^;
タダでいいですよー。
今週末のグルコバに参加されるんですよね、当日持って行くようにします。
おっさんくさいと言わば言え。
滅び行くものをどこかに書き留めておく必要があるんです。
そんなに仕入れたんやから、いっそのこと近所のガキンチョ相手にかたぬき屋やったらどないですか?(爆)
40年前にタイムスリップしてしまいました。
こんなものが現存してるんですね・・・(絶句)。
小学校の裏門を過ぎて路地を二つほど曲がったところに、一年に三回くらいの割合でテキ屋のおっちゃんがやってきていました。一度来ると滞在期間は三日まで。それ以上いると学校とPTAからおんだされるからなのです。
でも、子供たちはこの三日間が勝負。「かた、きてるで」という噂はあっという間に広まり、小遣い銭を握り締めて、かた菓子を買いに行き、その場で、または家に持ち帰って、パキッパキッと割ってはかた抜きに励んでいました。うまく抜ければキャッシュバックがあったので、子供にとっては一種のギャンブルだったんですね。
「俺、ひょうたん、抜いたでぇ〜」というのが勉強やスポーツができる以上のステイタスだったりして。
そうか・・・あれは私の幼い頃の白日夢ではなかったんですね・・・。
お褒めの言葉、ありがとうございます。(^^)
まあ単純に私がやりたくなっただけなんですけどね。
> そんなに仕入れたんやから、いっそのこと近所のガキンチョ相手にかたぬき屋やったらどないですか?(爆)
うちの身内と全く同じ発想ですねぇ。
私もなんでも仰山あると「商売しよか」って考えてしまいます。(^ ^;)
> こんなものが現存してるんですね・・・(絶句)。
私も去年の秋に見つけて驚くまでなくなってると思ってました。
今時の子供とカタヌキってどうも結びつかないですし、正直残ってるのが意外でした。
> 「かた、きてるで」という噂はあっという間に広まり、
「かた、きてるで」って言い方がリアルですねぇ。
> 「俺、ひょうたん、抜いたでぇ〜」というのが勉強やスポーツができる以上のステイタスだったりして。
この手の特殊技能ってガキンチョには評価高いですモンねぇ。
コメントからmyblackmamaさんがネタに本気で受けてくれたんがよう伝わりました。(^^)
ウチの主人の実家がテキヤしてまして、義父と主人がカタヌキやってましたよ。もちろんハシモトさんで仕入れをして。義父は故人となり、実家も一度テキヤをたたんでからカタヌキのネタはしなくなりましてね…。私も嫁いでから主人に付いてカタヌキを手伝ってましたよ。義父がカタヌキ始めたのが昭和30年代。涙が出るほど懐かしくて。今はチェーンの駄菓子屋くらいでしか見かけんので寂しいですね。
抜くコツあるんよね。直伝デス。傘もポンプもカカシも(^.^)。
関西某所より。。ありがとうございました。
はじめまして。
検索からおいででコメントを残していただき、ありがとうございます。
> ウチの主人の実家がテキヤしてまして、義父と主人がカタヌキやってましたよ。
元本職の方からコメントとは嬉しいかぎりです。(^^)
> もちろんハシモトさんで仕入れをして。
やっぱりみんな仕入れもとはあそこになるんですね。
> 義父がカタヌキ始めたのが昭和30年代。
そんなに前から商っておられたんですねぇ。
> 今はチェーンの駄菓子屋くらいでしか見かけんので寂しいですね。
今は下町の駄菓子屋を見かけなくなりましたねぇ。
お祭りでカタヌキの屋台を見たときは驚きましたが嬉しかったです。
> 抜くコツあるんよね。直伝デス。傘もポンプもカカシも(^.^)。
へぇー、コツで抜けるんですか・・・。
さすが、プロは違いますね。
何とかカタヌキにはなくならずに続いてってほしいものです。
今度岩手にボランティアに行きます。
子ども達に当てもんを持って行こうと思ってるんですが、
カタヌキも面白そう!と。
それで買いに行こうと思うのですが、
今もありますかね。天王寺の寂れたお店。あの辺り 変わってるから まだあるかな〜と思って。
すみませんが教えていただけますか?
あのエリアに行って1ヶ月経たないと思うんですが、その時に店はあったので大丈夫だと思いますよ。
岩手の子らが楽しんでくれるといいですね。
行ってみます。
他にどんなのがあるのか探すのも楽しみです。
慌て者なんで、帰り落とさないようにしないと(笑)。
参考になって良かったです。
今時珍しい駄菓子があるんで使えそうなものがあるといいですね。
かたぬきは割れやすいし、非常にシンプルな入れ物なのでお気をつけ下さい。