昨日行ってきたばかりの「山女庵」についてさっそく紹介させて頂きます。
この店のことを知ったのは、雑誌「あまから手帖」の記事やと思います。
ネットにアップされてるコチラの記事によると掲載は2004年の2月のようです。
ずっと行きたいなぁと思ってたせいか、もっと前のように感じてしまいますが・・・。
お店の大将が自分で山に入って狩猟で仕留めた猪だの鹿が食べられると聞いてすんごく行きたかったんです。
普段その辺で買われへん肉類っていうだけで食べたくなるんですよねぇ。
洋食でもジビエって聞くと、それだけで食欲が刺激されますわ。
家族が居ったときはたまの祝い事なんかじゃ、けっこう散財してたのになんでここに行ってなかったのか不思議なほどです。(^ ^;)
完全予約制のおまかせ料理で9000円ってのはけっこうな値ぇに感じますが、飲み放題なんで以前ならいっぺん挑戦するぐらい出来る範囲でしたからね。
そんな「山女庵」のことをつい最近知り合いから聞いた親父がえらい食いつきを見せたんです。
私が何年も前から行きたかったっていうと、「奢ったるから行こう」と。
10月頃からすぐ行こうって言うてたんですが、私がせっかくやから11月の狩猟解禁日以降にしようと提案して待ってたんです。
予約が取りにくいとも聞くんで、親父がとりあえず5人分で店を押さえました。
その時点では飲まれへんオカンはもったいないから行かへんということでした。
その後、オカンが同窓会でこの店のことをしゃべったらぜひ一緒に行きたいというヒトが出たと。
親父と私の会うたことない人と飲み食いってのは難儀やと言うことで、結局オカンも行くことに。
最後の一人分はまた別の同窓生がギリギリで滑り込み。
初対面のおっちゃん2人を含めたけったいなメンツでの突撃となりました。
6時に予約を取ってたんで、5時過ぎにタクで現地へ。
ちょっと早かったんすこし時間を潰して15分ほど前にお店へ。
*西成区の天下茶屋にある「山女庵」の店構え
かなり地味な店構えで、そうと知らんかったら見過ごしそうです。
国道26号線から脇にちょいと入ったトコで、車の窓からでもチラッと見えるんです。
私はたまに信号待ちでこの店を見ては行きたいなぁと思ってました。
*囲炉裏回りはこんな感じ
靴を脱いで店に上がると、広間があってそこに囲炉裏を2つずつ組み込んだ席が2列あります。
4〜5人のグループで4組入れる感じです。
オカンの知り合いが1人先に着いてはって、その後もうひとかたも時間までに到着して飲み食いスタート。
テーブルには箸やコップがセットされて、小さな魚の佃煮だけが先に出てました。
飲み放題のシステムがよう分からんかったんですが、人数が揃ったらフロア担当の女性が大瓶のビールを2本いきなり渡してくれました。
まあ日本の人間のほとんどが「とりあえずビールで乾杯」やからでしょうなぁ。
初対面のあいさつをしてビールを飲んでるとすぐに1品目が登場。
・猪の肝の煮物(佃煮?)
味つけはあっさり目で、食べてみるとたしかにレバー系の味がします。
でも食感の方はしっかり噛みしめんとあかんような肉の質感でした。
イノシシはぼたん鍋なんかで何回か食べてますが、肝を食べるのは始めてじゃないでしょうか。
この最初の料理から気に入ったんで気分が盛り上がります。
ふだんレバー類がアカン母親が旨いって言うて食うてるのが不思議でした。
・鯖のきずしとよこわのお造り
さすがにこれは獲ってきたモンやないそうです。
でも、このきずしはかなりのモンでしたわ。
ほとんど生ちゃうかというくらいの〆加減で生臭さなんかかけらもなくすごく気に入りました。
最初のビールをある程度飲んだら、私はいつものように燗酒へ。
同席した飲み食い好きの方は、冷やをオーダー。コップにまんま注がれて出てきてました。
燗酒もコップかと思ったら、そっちはちゃんと徳利で出てました。
飲み放題やからでしょうが、正味2合は入りそうなやつにタップリと。
・ボイルした骨付きの鹿肉
写真じゃサイズが分かりにくいですが、原始人が振り回しそうなゴツイ骨がドーンと。
その脇にちょうどラムチョップみたいな格好で食べやすいのが並んでます。
肉の具合からするとかなり長時間煮込んでると思います。
味は塩だけなんですが、このバランスが抜群でしたわ。
ちゃんと味は付いてるけど塩辛っさはまったくなく、なんか優しい塩味でした。
あまから手帖の記事によると塩やバターにかなりこだわってはるそうで、上等な塩なんでしょうなぁ。
鹿肉の皿のしたはガスコンロになってて、その横が炭を置いて網焼きをやるようになってました。
・椎茸の網焼き
しいたけには最初からバターが乗ってました。
バターが溶けたら食べ頃とのことで、味付けはどうするんかと思ったらバターオンリー。
私はあんまりしいたけって好きやないんです。BBQなんかでもこの手のしいたけにはあんまり手を出さんのです。
ところがここのしいたけは旨かったですねぇ。何が違うんか分かりませんが不思議に旨かったですわ。
・下仁田ネギの網焼き
こいつは外側の皮が真っ黒になるまで焼いてくれと。
一番下っ端の私が焼く世話を担当しとりました。
小皿にこだわりの塩を出してくれてましたが、なんも付けんでもネギ自体がすんごく甘くて良かったですわ。
このネギに続いてメザシをザザッと網の上に並べてくれました。
そいつはブレブレなんで写真は割愛しときましょう。
・鹿の赤身肉の網焼き
どこ部位かは聞き忘れましたが、脂身のない赤身でした。
表面にかかってるんは胡椒ですかねぇ。意識して食べなかったので正体は不明です。
焼き上がったらフロアの女の人が皿に取り分けてくれました。
食べるときはこんな感じにバターを添えてくれました。
あまから手帖にはかなり柔らかそうに書いてましたが、こいつはわりとしっかりした歯応え。
ボイルした骨付きは獣らしいええニオイがしたんですが、こいつは香りが弱めに感じました。
この辺りで、1人が赤ワインを希望しはったんで私もそいつを一緒に飲らせてもらいました。
フロアのヒトは、なんも聞かずにフルボトルをサクッと抜栓してくれました。
飲み放題やとは言うもののえらく豪気ですねぇ。
割と軽めの赤でサクサクと飲んでしまいました。
このシカ肉も旨かったんですが個人的には小食になってるんでこの半分くらいでも良かったかなぁと。
というのもメインというかトリというかのシシ鍋があんまり食べられへんかったからなんです。
・あらかじめ厨房で煮込んでぼたん鍋が登場。
5人分がいっぺんに全部入ってるとはいえ、かなりの大鍋でした。
・山女庵のボタン鍋ではシシ肉を角切りで使こうてはりました。
ボタン鍋は何回かしか食べてませんが一番クセがない気がしました。
根菜もたっぷりで旨かったのに腹が膨らんであんまり食べられへんのが残念でした。
久しぶりに飲み食いで大喜びした気がします。
どの料理も獣臭さみたいなモンはなく、調理法はシンプルやのに加減がええせいか物足りなさもナシ。
飲み放題やからっていうてムチャには飲んでませんが、普通の店なら3000円分くらいは飲んだと思います。
そう考えると9000円は私には安いと思います。
洋モンのジビエもええけど、こんだけの分量で食べたらさぞかしゴツイ金額になるでしょうね。
分かる人が食べたら、酒代抜きでも割安に感じるかもしれませんわ。
念願の店やと期待ばっかりが膨らんで、実際に行くと感動が薄くなることがありますが、ここは期待以上でしたわ。
ハコのキレイさとかええ食器、丁寧なサービスなんかやなく素材そのモンを堪能したいってタイプの方には是非行って欲しいお店ですわ。
最後に、肉類をぎょうさん食べたからデブッてるかと思ったのに今朝イチの体重は57.8kgしかなかったのを報告しときます。
<参考>
*天然鳥獣山菜魚料理「山女庵」:公式サイト
住所:大阪府大阪市西成区岸里1−3−10
電話:06−6657−2292
営業:17:00〜23:00
定休:日曜祝祭日
*一週間前までの完全予約制ですので行かれる方はご注意を。
2008年11月28日
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サヴァ好きとしては肉厚のきずしも気になるし
マンガの肉のインパクトもすごいのに
ボタン鍋がシメだなんて!
もう食べられませんムニャムニャ…(笑)。
あと、おいしいお店の椎茸ってホントおいしいですよね!
ヘタな調理をするよりは、切っただけ・焼くだけ・煮ただけで充分ウマい。
こちらのお店ほどではないですが、北海道の炉端でそういう経験をしました。
料理って、「ごまかす作業」という捕らえ方もあるでしょうね。
ほんとよかったですよー、このお店。
> サヴァ好きとしては肉厚のきずしも気になるし
ここまであっさり締めてるのは珍しいですわ。
> マンガの肉のインパクトもすごいのに
目の前に置かれた時はビックリでした。
> ボタン鍋がシメだなんて!
普通なら鍋だけをメインにするって感じやから贅沢でしょー。
椎茸は久々に美味しいと思って頂きました。
他の季節も面白そうなんで、次回関西においでの時にいかがですか?(^^)
> シンプルな調理法が多いのは、素材に自信があればこそですね。
そうなんでしょうねぇ。どれもこれも全くクサミがなかったですし、
素材が吟味されてるようです。
北海道で素材を生かしたお店だと値打ちありそうですねぇ。
> 料理って、「ごまかす作業」という捕らえ方もあるでしょうね。
手に入る素材が大したことないとこほど料理技術が
発達するっていいますもんね。
このブログを見た直後、自分を含め4人で予約をし
昨日行ってまいりました。
一人9500円でしたが、全員満足
鹿肉を焼いたものなど、お替り欲しいね…
という言葉が出るくらい、みんなで感動しました。
お店の飲み物の注文システムもビックリですね(笑
素晴らしいお店を紹介していただき、ありがとう
ございました。
また行きたいなぁ〜
コメントありがとうございます。
山女庵へ行かれたんですねぇ。
EGMさんの好みに合って良かったです。
飲み物代も含めたら値打ちありますよね。
ここは少なくとも4人ぐらいで行くのが楽しそうに思いました。
私ももっと何度も行ってみたいです。(^^)